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蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「シルミド」




この映画を見た直後、思ったことは

「もっと体を鍛えなきゃ」

少々ズレた感想。(笑)

だって急にあのような環境に放り出されたら、今の私ならば1日はおろか、反日、いや半日ももたないだろう。

村上龍の最新刊「半島を出よ」(まだ未読だけど)ではないけれど、いつ何が起きてもおかしくない世の中だからね。
平和ボケした自分に、少しはカツをいれなくては・・・なんて思ってしまった。

物語は、1968年4月。
死刑囚たちがシルミド(実尾島)に極秘に集められる。
彼らは「金日成の首を取る」という使命を果たすために、過酷な訓練を受けることになったのだ。
彼らは684部隊と呼ばれ、日々訓練に明け暮れる。
実戦さながらの訓練では、命を落とすものも出てきた。
それでも無事金日成の首を取り帰国すれば、死刑囚の身分から一転、英雄扱いされるという。
今までの不幸な環境を捨ててしまいたい者たちは、がむしゃらに訓練に挑む。

3年の月日が経った。一流の特殊工作員になった彼らに出動命令が下る。
しかし、任務に就こうとする彼らの前に立ちはだかったのは、国家という大きな壁だった。
南北融和の機運が高まり、特殊工作員を使って金日成を暗殺する必要がなくなりつつあったのだ。
秘密を保持するため、国家により抹殺されようとする684部隊。
彼らを指導してきたチェ・ジェヒョン空軍准尉は、苦渋の決断をする。

生か死か。
彼らに救いはあるのか?


いや~、ほんとに重い内容だった。

この話が30年間韓国で封印されてきた実話だと知って、胸の重苦しさが倍増する。

いつも国家に翻弄されるのは、名もない国民。

ささやかな幸せすら踏みにじられて、それでも誇りを捨てたくなくて。

いかなる理由があろうとも、戦争をしてはいけない。
憎しみあって生きることは、辛い。
そんな単純なことを思う。

特筆すべきは、チェ・ジェヒョン空軍准尉役のアン・ソンギ様。
彼のお姿を拝見したくて、「シルミド」を見たんだけど、やはり韓国の国民的俳優だけあって、演技の上手さ、大人の魅力、渋さ・・・・たまらん!

思い起こせば20年近く前、初めて彼を見たのは「成功時代」という映画だった。
とびきりの男前というわけではないんだけど(すみません)味わい深い演技と、その渋い魅力に惹かれた私であった。
それから彼の出演している映画を、出来るだけ見た。
「チルスとマンス」「ディープ・ブルー・ナイト」「神様こんにちは」「鯨とり」などなど。
最近では「美術館の隣の動物園」にも、ヒロインが憧れている男性役で出ていたなぁ。

「シルミド」でも、ほんとうに深い味わいのある演技をしていたアン・ソンギ様。

ヨン様もビョン様も素敵だけど、クォン・サンウくんのお茶目な笑顔にノックアウトされたけど、でもでも、私にとって韓国イケメン俳優といえば、20年まえからアン・ソンギ(安・聖基)様と決まっているの。





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